ブレーキキャリパーの仕組み
ブレーキの点検といえばパッドの点検を考えますが、ここではオイルシールとダストシールを考えてみましょう。
ブレーキをはなすと、自動的にブレーキは戻りますが、これはとても簡単な理由でもどっています。
ブレーキピストンの周囲にはゴムシールが2つあります。一つはオイルシールです。もちろんブレーキフルードが漏れ出ない様になっています。もう一つがダストシールです。ダストシールはブレーキの粉や砂などが入り込まないようにシールしているのです。
この働きと別に、油圧で出たピストンを引き戻す役目もしています。
乗用車の場合 ダストシールはピストンをおおうように取り付けられていてゴミが入りにくくなっていますが、バイクの場合 小型のキャリパーはこの部分にゴミが付着しやすくブレーキの効きを悪くしてしまいます。
長年ブレーキフルードを交換しないでいると、 ピストンはさび付き 右画像のようにゴミがたまりゴムシールの動きを妨げます。
パッドだけでなく ブレーキフルードがいかに大事かがわかります。ですからブレーキの分解整備は車検のときにするのが望ましいですね。
ブレーキフルードの仕組み
ブレーキフルードはオイルからできていると思っている方がたくさんいます。ですがこれアルコールでできています。
ブレーキフルードには
DOT3
DOT4
DOT5など
種類がありこの違いはアルコール種類によって沸点が違うので、それを利用しているのです。
レースなどに使うならばDOT5などブレーキを酷使すると ブレーキは真っ赤に加熱されての熱はブレーキフルードに伝わります。沸点が低いと その熱がブレーキフルードを沸騰させベーパーロック現象を引き起こします。
乗用沸点が高ければいいのか?と言うとこれも違ってきます。沸点が高いものは吸湿性(水分を吸収)が高く水分を吸収すると 沸点が下がります。簡単にいうと寿命が短いのです。
ブレーキフルードをいい物に交換すると ブレーキのタッチが変わるといいます。これは恐らくブレーキフルードに含まれる添加剤の密度による違いではないかと思われます。密度が高ければ タッチがカッチリしたものに変わることでしょう。
またブレーキホースは通常ゴム製のホースを使っています。これをステンレスメッシュホースに変えるとゴムの膨張が減り タッチもカッチリしたものになります。
通常ブレーキフルードは2年に一回程度交換を要します
交換しないでいると ベーパーロックになりやすく 大変危険です。
劣化すると茶色になってきますが これはサビです。水分を含んでサビがではじめるので 茶色に変色していきます
黒く変色してくると危険です速攻交換しましょう。