油温が下がらない原因をチェックしましょう
ECUなど書き換えていませんか?
ECUなどを書き換えると エンジンが熱を持ち油温上昇の原因になります
オーバーホール時にシリンダーヘッドを面研していませんか?
研磨すると圧縮比が変わります これが原因で油温上昇に悩む方が多いです
ボアアップしている
ボアアップすると単純に熱量が大きくなりますから油温は上昇します
マフラーを交換している
マフラーひとつとっても排気効率があがると 吸気も増えます 吸気が増えると燃焼も変わる事から油温上昇につながります
一部のスポーツ系の車種以外は基本ノーマルエンジンであれば油温は正常値のはずです 何もしていないのに油温の上昇は考えにくい
相談のに来られる方のほとんどは何らかの変更を行っています
ノーマル以外に変更(改造)しているのに対策をしていない
キャブレターをFCVやCRキャブにしたり ボアアップしたりすることは私自身が楽しんでいます
しかし多くの場合 ショップに丸投げです ボアアップして欲しいとショップにお願いすれば ボアアップしてくれますが熱対策まではしません
もちろんボアアップに際して熱対策をお願いすれば対策をとってくれますが 対策は自分がちゃんと知識を持っていないとお願いすることも出来なくなります
油温上昇に有効なのはオイルクーラーです
しかしながらオイルクーラーを付ける予算がなかったりして取り付け出来ないなど後回しにすることも多いです
カスタマイズとは一部だけでなくトータルで考えよう
一部を変えるとどこか必ずと言ってよい程不具合が発生してきます その不具合が出ない様に作られたのがノーマル車
熱量が大きくなっているから油温が上昇するのであって 冷やすしか方法はありません それがラジエターの大型化やオイルクーラーの装着です
水温計・油温計は付けて測定していますか?
まずは水温チェック!
水温が高ければ油温は高い
まず近年の乗用車などはエンジンルームに補器類がビッシリ詰まっています。昔の車と比べると全然違いますよね。昔の車はとても風通しが良かった、でも今の車は全然冷えないようになっています。すべての冷却はラジエターだけの冷却のみです。
ラジエターはエンジンの中を冷やしているわけではありません。ウォータージャケットと言って、水路があるのです。その水路の方向・容量・によってはエンジンが冷えなくなる場合もあります。
昔のAE86なんて水の流れる方向が悪く、4番のシリンダーが熱をもってヒートしてしまうのはAE86乗りは知っているはず ポルシェ・ボクスターもそんなエンジンがあります
そのような設計もありますので 水温は正常値だから大丈夫と思ってはいけないのです 大きな落とし穴もある事を知っておいた方がいいでしょう
水冷エンジンは基本エンジンの表面だけを冷却し エンジンの中までは冷却出来ない そして水の流れが悪いと 流れの悪い一部分がヒートしてしまう事を理解してください
まず水冷エンジンはラジエター洗浄をすること
油温が下がらない対策その1
油温は水温とリンクしています。だからこそ最初にやるべきは水温を見る事から始めます。水温が85℃前後と安定していても、 エンジンの一部ではもっと高い場合もあります。水温を測っているのはラジエターにつながるホースだけだと言うことを忘れないでください。
エンジンの中を見たことがありますか?画像の様になっているエンジンも多いのです。 正確に言うとラジエター・エンジンブロック・ヘッドに水アカがこびりついています。水温が下がると、エンジン全体の温度が下がってきますから、 油温もおのずと下がって来る場合もあります。一度もラジエター・ブロック・ヘッドを洗浄したことが無いのであれば 洗浄することをお勧めいたします。
油温が下がらない対策その2
冷却能力の高いエンジンオイルを使ってますか?
エンジンオイルは耐熱性が大事と思っていませんか? しかしながら元エンジンチューナーでエンジンオイルのプロの目からみると これは大きな間違いです
エンジンオイルに求められる働きは
1:潤滑(摩擦抑制・摩耗防止)
2:冷却(熱ダレ防止・油温上昇抑制)
3:清浄分散(ブローバイガスなどの汚れを微小に分解油中に浮遊)
4:密封(圧縮漏れ防止・トルクアップ)
5:防錆(サビ止め)
6:緩衝(衝撃を吸収しメカノイズを減少)
この6つです
どこにも耐熱という言葉は出てきません
ターボ・ハイパワー車・空冷エンジンには冷却性の高いエンジンオイルが必要です
エンジンオイルに求められる働きは耐熱だと思っていませんか?
油温は人間で言う体温です 100℃を超えるようであれば熱対策を必ずとりましょう エンジンオイルの設計は100℃で設計されています どんなに優秀なオイルでも100℃を超えると たちまち熱で劣化してしまいます
化学合成オイルは熱に強い?
化学合成オイルは熱に強いと思っている人が多いはず しかしこれは誤解を生んでいます 化学合成は熱に強いのではありません
正確には
1:高温に対して分子が安定
2:せん断に対して強い
高温に対して安定やせん断といってもすぐにわかる人はとても少ないと思います 応用化学の世界ですから
これを簡略化すると熱に強いといいますが 誤解が生まれます
耐熱ではなく求められるのは冷却なのです
誤解を生んでいる熱に強い表現
誤解が生まれています
熱に強いのであれば油温も130℃でも大丈夫と思い込んでしまいます
先に説明したとおり 適正温度をしっかり管理することが大事なことであって 熱に強いオイルを使えば安心ではなく 冷却できるエンジンオイルを使い 更に油温・水温をしっかり管理することにあります
ベースオイルは劣化しにくいなぜなら分子が安定しているから
化学合成ベースオイルの寿命は60,000㎞とも言われています
鉱物ベースオイルの寿命は30,000kmとも言われています
このことからも化学合成オイルは分子が安定しせん断に強いと言えます
なのになぜ5,000㎞や10,000kmで交換する必要があるのか?
理由:ベースオイルよりも先に添加剤が劣化し使えなくなるから
ベースオイルは劣化しにくいのです ですから新興国では廃油を回収して遠心分離機にかけてゴミや汚れを分離させ 重油を生成します そこから添加剤を加えてエンジンオイルをつくるのです
製造方法にもよって違いはありますが どのオイルも例外なく添加剤から先に劣化していきます
求められるのは冷却性の高いエンジンオイルは鉱物です
同じ容積に分子が多いほど熱しにくく冷めにくい特性を持ちます 分子が大きいほど 熱しやすく冷めやすい特性をもちます
どちらが冷却性が高いのかを考えると 鉱物オイルなのです
特に空冷エンジンやハイパワーエンジンは冷却が重要な要素です 油温に悩むかたは合成オイルよりも鉱物オイルの方が有利です
エンジンオイルには2つの製造法がある
エンジンオイルには2つの製造法があります
1:通常製法(一般的な製法)
2:ノンポリマー製法(文字通りポリマーを使わない製法
製造方法には2つの製造方法があるのはご存じでしょうか
オイル交換してもすぐに真っ黒になると感じませんか?それはポリマーが劣化している可能性が高いです
冷却性は鉱物オイルが断然効率が高いのがわかると思います
なぜ化学合成オイルの通常製法が冷却性が落ちるのか?
ここで問題になるのがポリマー(増粘剤)
熱に弱くせん断に弱いという特徴があり ドロドロにしてもすぐにサラサラに戻ってしまいます つまり油膜は薄くなる傾向にあります
通常のエンジンオイルの作り方は1種類のベースオイル(基油)に添加剤を混ぜることで、エンジンオイルという製品になります。
そこで使われるのが、ポリマー(増粘剤)です。
水の様にサラサラとしたベースオイルにポリマー(増粘剤)を加えることにより、ドロドロにしているわけです
この添加剤が先に劣化していきます
例えば 水に片栗粉を入れるとドロドロになるのと同じ理屈です
通常エンジンオイルは水の様なサラサラなベースオイルにポリマーを混ぜてドロドロにし粘度を作り上げます VHVIは需要が大きい為通常製法だと鉱物よりも安価に生産が可能な場合もあります
ノンポリマー鉱物オイルRICH(リッチ)製法とは
ノンポリマーは文字通りポリマー(増粘剤)を使わない製法です
2種類のベースオイルを贅沢に使い粘度(ドロドロ)にしていきます そのため大変なコストをかけての製造を行う事になります
高い冷却性を実現し熱ダレを防止します
ノンポリマー製法はベースオイルの性能を引き出す製法
例えば レストランに行ったとします 大手チェーン店では味も価格も同じでないといけません
美味しく見せるために 発色剤を使い 保存期間を長くするために保存料を使います
これで体に優しいといえるでしょうか?
ノンポリマー製法とは余計な添加剤を使うことなく ベースオイル本来の性能を引き出す製法でエンジンにとって大変優しいオイルが完成します
2種類のベースオイルを贅沢に使う為 製造コストはかなり高いのが特徴ですが通常製法よりもメリットが多い オイルの交換サイクルも大幅に変わります
ノンポリマーのメリット
- 熱に対してドロドロ加減が安定するからメカノイズが減少
- 粘性が安定すると隙間を埋める力が強くなるからエンジンフィーリングが長持ち
- 隙間を埋める力が強くなると旧車・過走行車のピストンとシリンダーとの隙間、ヘッドカバーとの隙間からのオイル漏れ予防ができるようになるからトルクアップ
- 鉱物オイルだから冷却性が高く熱ダレ防止・タービンの冷却にも有効