エンジンオイルが白く乳化する原因は水分
エンジンオイルに水分が混ざることで起きるのが乳化(エマルジョン)
つまりエンジンオイルがマヨネーズ状に白く濁った状態になることです
この水分はどこからくるのでしょうか?
大部分の水分は燃焼ガスにある
ガソリンが燃えることで水蒸気が発生します この水蒸気がエンジンオイルに混ざることが原因のひとつ
ガソリンの元素記号はHC
ガソリンの元素記号は「HC」です 炭素「C」と水素「H」がありますから 燃焼は酸素と結びつくことを意味します 酸素「O」と結びつきH2O(水)ができるわけです
その水分が冬など気温が低い時に結露になりやすく 乳化防止剤を入れていても許容範囲を超えると乳化することになります
ガソリンが燃焼すると二酸化炭素(CO₂)/炭化水素(HC)/一酸化炭素(CO)などのありますが水もでることを忘れてはいけません
マフラーから水を出しながら走る車を見かけたことはありませんか?
ガソリンが燃焼すると水も発生しマフラーの中で結露を起こして水が溜まります
溜まった水が排気ガスの圧力で出来てきています
冬は気温が低い為に気が付きやすいのですが 気温が高くなると気づきにくいだけで 常に蒸気はでているのです
水分が混入しても大丈夫なのか?
乳化したエンジンオイルは速攻オイル交換をおすすめいたします
エンジンオイルに水分が1%を超えると 摩擦や摩耗を起こしやすくなるからです エンジンオイルには乳化防止剤が配合されています
乳化防止剤が配合されているにも関わらず エンジンオイルが白く乳化(エマルジョン)するのは乳化防止添加剤の役割を大きく超える水分量があるからです
例えば ボトルに油を入れて次に水を入れたとします しかし水と油は分離して二層に分かれますが 激しくボトルを長時間振り続けると 水を油が混ざり合い白く乳化します
ちなみに手でボトルを振る程度では混ざりません エンジン内部で激しく撹拌されると乳化(エマルジョン)します
エンジンオイルが白く乳化(エマルジョン)しないためには
オイルは適正温度になることで 性能を発揮する様にできています
油温があがりにくい短距離の移動は極力さけることがポイントです
通勤や通学に買い物など短距離でエンジンを始動しては止めることを繰り返すと エンジンオイルに大変負担がかかります
水の沸点は100℃です 100℃になれば水分は蒸発しますが エンジンはそんな温度には耐えられません ですが沸点近くになると湯気が出始めることは誰でも知っています
温度をしっかり上げることが大事です
乳化防止で暖機運転は必要なのか?
乳化する原因は暖機運転をしないからだという意見が見受けられます 暖機運転の不足による乳化(エマルジョン)は起きないと断言いたします
あくまで燃焼ガスに含まれる水分やヘッドガスケットが抜けて冷却水(LLC)が混入すると乳化(エマルジョン)を起こします
フィラーキャップ(オイル注入口)に乳化(エマルジョン)を発見したら ヘッドカバーを開けて内部を確認することをお勧めいたします
暖機運転だけでは水温上昇に時間がかかりすぎます 近代エンジンであれば暖機は不要ですからすぐに走り出しても問題ありません
エステル系ベースオイルは水分に弱い
参照元:ジュンツウネット21
ジュンツウネット21は潤滑油業界団体専門の情報サイト
エステル系ベースオイルは 加水分解 すなわち水が混ざると分子が分解してしまい エンジンオイルの働きをしなくなるということになります
エンジンオイルが白くなる(乳化)と違う反応がでます
エンジンオイルの乳化を防止するなら鉱物オイルが有利です
エステル系は加水分解する可能性があることをご理解いただけたと思います そもそもエステル系ベースオイルで作られたエンジンオイルはほぼレース用に作られていますから 耐久性は二の次です
レース用のエンジンオイルを通勤・通学・買い物のなどに使えばエンジンが暖まる前に停止を繰り返すことから 水分がオイルに蓄積しやすくなります
乳化(エマルジョン)が起きるとフィラーキャップの裏だけでなく エンジン全体に付着している可能性もあります
エンジンオイルの乳化を発見したら すぐにオイル交換をすること
放置すれば乳化したオイルが蓄積し始め エンジンが壊れる原因のひとつになります
乳化(エマルジョン)しにくいのは鉱物オイルです 鉱物オイルは性能が悪いと思っていませんか?
それは誤解です 化学合成オイルを超える鉱物オイルも存在します それがノンポリマー鉱物オイルです