バイクのエンジンがかからない

troubleshooting

エンジンの基本は「良い混合気」「良い火花」「良い圧縮」「良い排気」の4つだけです。この4つのどれか一つでも欠けると、エンジンはかからなくなったり、不調になってしまいます。

燃料編

ガソリンは入っていますか?

ガソリンが入っていると思い込んでる人も多いです。タンクを左右に振ってみて、チャプチャプ言っていてもガソリンは供給されない事があります。最低1/3以上あることを確認しましょう。

燃料コックは開いていますか?

燃料コックの種類は2種類。1は手動でコックをON、OFFするタイプ。OFFにし忘れると、燃料が漏れ出すこともありますので、注意が必要です。2は、負圧コック。エンジンが始動すると、キャブレターの負圧でコック内部の弁が開き、燃料を供給するタイプ。どちらも「RES」があり、通称「予備タンク」と言われるもの。ONの状態で燃料切れになった場合、「RES」にすると、ある程度走る事ができるが、すぐに給油が必要。「PRI」は「直通」の意味。燃料切れになった場合、まずは「PRI」にして、燃料を送り込み、始動したら「RES」に切り替えると良いでしょう。

セルモーターが回らない編

セルモーターは回るが、回りにくそうな音がする。

バッテリーが切れてます。充電もしくは交換しましょう。

ニュートラルのグリーンランプは点灯していますか?

ニュートラルに入っていないとエンジンが始動出来ない車種もあります。(スクーター除く)

クラッチは握ってますか?

クラッチを握らないとエンジン始動出来ないものをあります。(スクーター除く)

バッテリーの確認

簡単な方法では、ウィンカーが点滅するか、ブレーキランプは点灯するか、ブレーキランプが付いた時にニュートラルランプは暗くならないか? 暗くなれば、バッテリーの容量が減っている可能性もあります。 テスターを当てて、充電容量を確認しましょう。 通常12.5V以上が正常値です。

キルスイッチの確認

右手スイッチにキルスイッチがあります。 転倒時にエンジンを停止させるための緊急停止スイッチです。 OFFになってませんか?

サイドスタンドの確認

サイドスタンドが出た状態ではエンジンは始動しない仕組みになっています。スタンドがスイッチを押してエンジンが始動できる構造になっています。 スタンドを上げたつもりでも、泥汚れなどでスイッチが動いていない場合や断線があります。

ヒューズは飛んでませんか?

バッテリーは正常でもセルが回らない。 ヒューズが切れると、電気が流れません。取り付けは同じアンペア数を付けましょう。容量の大きなアンペアヒューズを付けると、配線が焼き切れてしまう場合があります。何度もヒューズが切れる場合は、どこか断線して大容量の電気が流れています。その場合は破損箇所を見つけ修理が必要です。


これら全部を確認してもセルが回らない場合、電気系の故障です。 配線図を用意して、すべての配線をテスターを使いチェックする必要があります。

電気系編

プラグの確認

工具を使い、プラグを外し、電極の確認。真っ黒になっていれば、歯ブラシ等柔らかいブラシで磨く事。金属ブラシを使うと、電極を痛める事があります。

次に外したプラグをプラグキャップに取り付け、電極をエンジンに当て、セルモーターを回して見ます。この時、火花が電極から出ていれば、正常ですが、電極以外から火花が出ている場合は、リークしているので、プラグは使用不可の状態です。新品に交換しましょう。

他にプラグキャップの割れの確認をすること。

プラグコードがしっかりとキャップにつながっていることを確認すること。

キャブレター編

キャブレターは正常ですか?

ガソリンタンクにもガソリンはたっぷり!コックも開いている。バッテリーも正常でセルも回る。次に疑うのは、キャブレターと点火系。何ヶ月もエンジンをかけていない。そんなバイクのキャブレターはキャブレターのフロート部分に燃料が来ていない、もしくは来ていても、メインジェット類が目詰まりして、燃料が供給されていない可能性もあります。キャブレターを分解し、洗浄してみましょう。エンジンオイル屋の「キャブテック」は劇的に汚れを落とします。

マフラー編

マフラーの詰まり

マフラーは詰まってませんか?写真は土蜂が巣を作ってしまい、エンジンがかからなくなってしまう例です。田舎でバイクを少し放置するとこんなになる場合があります。木の枝でもいいのでつついて、掘り出せばOK。2サイクルエンジンは、カーボンが詰まり抜けなくなったら交換となります。昔は焼却炉などで焼くという手もありましたが、なかなか焼けるものではありません。特に原付のマフラーの中は、グラスファイバーが芯に巻かれています。このファイバーに取り付いたカーボンは焼いても取れませんし、ファイバーを巻き付けた針金が焼き切れてしまい、ファイバーが穴を塞ぐ事になります。