B18C(インテグラType-R)エンジンにB20Bコネクティングロッドを流用する方法|ピストン軽量化とパフォーマンス向上のチューニングガイド

b20b-connecting-rod-upgrade-for-b18c5-tuning

このページでは、B18C5(インテグラType-R)エンジンにB20Bコネクティングロッドを流用することで、エンジンパフォーマンスを最大限に引き出す方法について詳しく説明します。ピストン軽量化を目指すエンジンチューニングの具体的な手順、メリット、デメリットについて解説します。

Bシリーズエンジンの特徴

B16B (Civic Type R)

  • 排気量: 1,595cc
  • 高回転域でのパフォーマンスに優れたエンジン。

B18C5 (Integra Type R)

  • 排気量: 1,797cc
  • 中回転から高回転域でのトルクを重視したバランスの取れたエンジン。

B20B (CR-V)

  • 排気量: 1,973cc
  • 高いトルクを特徴とするが、高回転でのパフォーマンスはそれほど重視されていない。

B20Bコネクティングロッドの流用のメリット

H3: 長さの違いによる軽量化効果
B20Bのコネクティングロッドは、B16BやB18C5に比べて長いことから、ピストンの高さを低くすることができ、軽量化につながります。

B18C5とB20Bのコネクティングロッドの違い|チューニングの可能性

違いを知ることでチューニングの可能性を広げる

B18C5とB20Bのコネクティングロッドは、一見同じように見えますが、長さに違いがあります。B18C5のコネクティングロッドは137mm、B20Bは142mmの長さを持っています。この5mmの違いが、ピストンの高さや重量に影響を与え、エンジン全体の性能に関わる重要な要素となります。

技術詳細

  • B18C5の仕様:
    • コネクティングロッド長:137mm
    • ピン径:21mm
    • クランクジャーナル径:48mm
  • B20Bの仕様:
    • コネクティングロッド長:142mm
    • ピン径:21mm
    • クランクジャーナル径:48mm

この違いにより、B20Bのコネクティングロッドを流用することで、ピストンの位置が高くなり、ピストンの軽量化が可能になります。

B20Bコネクティングロッド流用のメリット

軽量化とレスポンスの向上

B20Bのコネクティングロッドを使用すると、ピストンの高さが低くなり、全体の重量を軽減できます。これにより、エンジンのレスポンスが向上し、特に高回転域でのパフォーマンスが顕著に向上します。軽量化されたピストンは、エンジンの回転力を最適化し、より速い加速を実現します。

ピストンピンの位置とクリアランス

B20BロッドをB18C5に流用すると、ピストンピンの位置が5mm上がります。これにより、ピストンがシリンダーヘッド内でより効率的に動き、燃焼効率が向上します。ただし、ピストンとバルブのクリアランスを適切に調整しないと、エンジンのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

エアフローの改善によるトルクアップ

B20Bコネクティングロッドを流用することで、吸気と排気のフローが最適化され、より大きなトルクを引き出すことが可能です。特に、中回転域から高回転域にかけて、より効率的なエアフローが実現されます。

デメリットと考慮すべき点

カムタイミングの再調整が必要

ロッド長の違いにより、ピストンの動きが変わるため、カムタイミングの調整が必要になります。適切なセッティングを行わないと、ピストンとバルブの干渉が起こり、エンジンの損傷を招く可能性があります。

クリアランスの調整

特にB18C5にB20Bロッドを流用する場合、ピストンとバルブ、シリンダーヘッドとのクリアランスをしっかり確認する必要があります。クリアランスが不足すると、エンジン内部での干渉が発生し、エンジンの耐久性に悪影響を与えることがあります。

ピストンの特注が必要な場合

B20BコネクティングロッドをB18C5エンジンに流用する際、ロッド長の違いによりピストンの位置が変わり、クリアランスが問題となる可能性があります。このため、特注ピストンが必要になる場合があります。

  1. ピストンの高さの変更: B20BのコネクティングロッドはB18C5よりも5mm長いです。これにより、ピストンの位置が高くなり、ピストンとシリンダーヘッド、バルブとのクリアランスが問題になる可能性があります。これを解消するためには、ピストンピンの位置を調整した特注ピストンを使用するか、ピストン自体を薄く軽量化したものに交換する必要があります。
  2. クリアランスの最適化: ピストンが上死点でシリンダーヘッドやバルブに干渉しないようにするためには、ピストントップの形状や高さを調整したピストンが必要になります。これを考慮しないと、エンジンの損傷やパフォーマンス低下を引き起こす可能性があります。
  3. 特注ピストンの利点
    • ピストンの重量を軽減できることで、エンジンの回転レスポンスが向上する。
    • 高回転域での安定性やパワーを最大化できる。
    • 細かい調整によって、エンジンの耐久性と性能を向上させる。

結論として、B20BのコネクティングロッドをB18C5に流用する場合、最適な性能と耐久性を確保するためには、ピストンの特注や調整がほぼ必須となります。

B20Bロッド流用の具体的な手順|エンジンチューニング インストールガイド

必要なパーツと準備

  • B20Bコネクティングロッド
  • 軽量ピストン(ピストンピン位置の変更に対応するもの)
  • 適切なクリアランスを確保するためのガスケットとシール

ステップバイステップの手順

  1. エンジン分解:シリンダーヘッドとピストンを取り外します。
  2. B20Bコネクティングロッドの取り付け:137mmから142mmに変更。
  3. ピストンの交換:ピストンの重量とピン位置を適切に調整したものに交換します。
  4. 再組み立て:クリアランスやトルク管理を慎重に行いながら、エンジンを再組み立てます。
  5. 最後にカムタイミングを再調整し、エンジンが最適なパフォーマンスを発揮できるように調整します。

流用事例と実績|エンジンチューナーの成功例

具体的なパフォーマンスアップの例

あるB18C5(インテグラType-R)エンジンにB20Bロッドを使用した場合、ピストン軽量化により、馬力が5〜7%向上し、サーキット走行ではラップタイムが数秒短縮されたという報告があります。さらに、軽量化されたピストンにより、エンジンの回転レスポンスが向上し、特に高回転域でのトルクアップが確認されています。

エンジンの耐久性とメンテナンスへの影響

ピストン軽量化に成功したエンジンチューニングでは、エンジンの耐久性が保たれた一方で、メンテナンス頻度が若干増加する傾向があることが報告されています。特に、定期的なバルブクリアランス調整やオイル管理が重要です。

B20Bロッド流用はB18C5チューニングの有力な選択肢

  • エンジンチューニングの一環として、B20Bのコネクティングロッドを使用することは、特に軽量化や高回転域でのパフォーマンス向上を目指すチューナーにとって非常に効果的な方法です。

H断面コネクティングロッド

I断面とH断面のメリット・デメリット

メリット

高剛性:H断面は、曲げやねじれに強く、特にドラッグレースなど高トルクがかかる状況で優れた耐久性を発揮します。力の伝達効率:直線的に力を伝えるため、特定の負荷がかかる状況下でも安定した性能を維持。耐久性の向上:過酷な条件下でも、断面形状によって高い強度を発揮するため、エンジンの寿命を延ばすことができます。

デメリット

H断面コネクティングロッドのデメリットとして、応力が一点に集中しやすい点が挙げられます。これは、特に強力な力が短時間に集中するシチュエーションで問題になることがあります。具体的には、集中した応力が材料に局所的な損傷を与える可能性があり、疲労破壊のリスクを高めます。特に高回転、高負荷が続く環境では、H断面がこの点で不利になり、耐久性が問題になることがあります。

I断面コネクティングロッド

メリット

I断面コネクティングロッドの最大のメリットは、応力が広範囲に分散されることです。これにより、エンジン内で発生するねじれや曲げ応力を均等に処理でき、疲労破壊のリスクが低減します。このため、軽量かつ強度を維持でき、特に高回転エンジンでは応力の集中が少ないことで、長時間の使用でも安定したパフォーマンスを発揮します。F1のような高回転を重視する競技においては、この点が大きな利点となります。

デメリット

剛性が低い:H断面に比べると、曲げやねじれに対する剛性が劣り、高トルクや高負荷のエンジンでは強度が不足する場合があります。耐久性の制限:応力が分散される一方で、構造上の強度が劣るため、極限状態での耐久性がH断面ほど高くない場合があります。

選択の基準は、エンジン用途によって決まります。高回転・高出力エンジンにはH断面が好まれ、軽量性やコストが重視される場合にはI断面が使われることが多いです。

F1でI断面のコネクティングロッドが採用される理由は、軽量性と回転レスポンスの向上にあります。F1エンジンは非常に高回転域で動作するため、部品の軽量化が重要で、I断面ロッドはその要件を満たします。

一方、ドラッグレースではH断面ロッドが使用されることが多いのは、極限の加速や高負荷に耐えるための剛性と強度が求められるからです。H断面はその高い剛性により、強力なエンジンパワーにも耐えられます。

コネクティングロッドを止めるボルト

コンロッドにかかる応力はコンロッドボルトにも影響を及ぼします。特に、I断面コネクティングロッドのように応力が分散される設計では、ボルトへの応力も均等に伝わるため、ボルトの破断や緩みのリスクが軽減されます。ただし、高回転や高負荷時にはボルトに強い引張力がかかるため、適切なトルク管理や高強度ボルトの使用が必要となります。

オーバーホール時には必ず新品にすることをお勧めします。

具体的な違い:

  • F1のI断面:軽量で高回転を重視、持続的な高回転に対応。
  • ドラッグレースのH断面:短時間での爆発的なパワーに耐えるため、強度が重視されます。

つまり、競技ごとのエンジン特性や使用状況に応じて、コネクティングロッドの設計が最適化されています。

各パーツの詳細と構造チューニングガイド

ノンポリマー鉱物オイルをもっと詳しく>>