ホンダ B18C/B16Bチューン

バルブガイド、バルブシートの打ち換え

オーバーホールすると、良く言われるのが、バルブガイドとバルブシートの打ち換え。

 

これってどうよ?

なんでも新品が良いと思っていたら大違い。

 

バルブガイドの打ち換えは、ヘッドを200℃以上に加熱して、打ちかえます。

 

 

バルブガイドの打ち換えは慎重に判断

話は飛びますが、オーバーヒートという言葉を聞いた事があると思います。

オーバーヒートとは水温で約110℃以上になると、水の沸点を超えるので、ラジエターなどから

水が噴き出します。

 

水の沸点は100℃なのに110℃な訳は、ラジエターキャップにあり、このキャップが1.1bar(気圧)まで加圧出来るようになっているからです。(キャップによっては1.2bar以上のものも)1気圧で100℃ですから1.1だと110℃ということです。

 

ヘッドはアルミ合金で出来ています。

アルミは熱膨張しやすいですね。

綺麗に膨張し、綺麗に収縮してくれれば、問題はありませんが

アルミの膨張の形はいびつで、予想できません。

 

そうすると、最悪の場合、ヘッド吹き抜けということになります。

ヘッドとシリンダーブロックとの間に変形によって、隙間ができるからです。

 

120℃程度でこのような事が起きるのですから、200℃という温度に加熱してバルブガイドやシートを打ち抜くとどうなるか?想像がつくと思います。

 

弊社に沢山の相談があります。

その中に、オーバーホールしたけれど、煙を吐くというもの。

 

ピストン新品、リングも新品、シリンダーもボーリングしてオーバーサイズピストン入れて

それなのに、煙を吐く。

 

加熱されたヘッドにバルブガイドを打ち込む時、キンキンに冷やされたバルブガイドを打ち込みます。

液体窒素で冷やされたバルブガイドを200℃に加熱されたヘッドに打ちこむのです。

 

すると急激な温度変化が生じて、アルミで出来てるヘッドはクラックが入る場合もあります。

これが原因で「煙はき」になることもあります。

バルブシートも同じですね。しかも高回転を使うレースエンジンにバルブシート打ち換えしたヘッドを使うと

バルブシートが脱落することもありますので注意が必要です。

これはとても技術を必要とする仕事ですから、信頼できる内燃機屋にだすことをお勧めします。