スピードと油温は必ずしも比例しない。

速度が上がればあがるほど、エンジンは熱を帯びてきます。この熱を冷却してくれるのは、ラジエターの冷却水とオイルです。スポーツ走行をする方は、粘度を硬いもにしたがる傾向にあります。

果たして、それが正解なのでしょうか?

 

ここにAPRC(アジア パシフィック ラリー チャンピオンシップ)で取ったデータがあります。今までは20W-50しか使わなかったのですが、10W-40を使ってみました。

20W-50の時のトップスピードは190km/h。

 

ところが10W-40にすると、トップスピードは230km/hに大幅向上。その理由は粘度の抵抗が無くなったからです。 それでは油温はさぞかし上がっているだろうと思ったら油温は逆に下がり始めました。

 

スピードが出れば出るほど、ラジエターに風が当たり、エンジンを冷却してくれます。さらにオイルクーラーにも風が当たります。だから油温が下がり始めた訳です。では10W-40で全部行けるではないか!?というとそうではありません。

 

テクニカルコースや峠などは、2速・3速・4速を多様します。すると、速度は出ていないのに、エンジンだけは高回転で回っているのです。そうなると、ラジエターやオイルクーラーには十分に風が当たりません。

 

すると・・・一気に熱がパンパンになってしまいます。その様なエンジンに「負荷」がかかる場合は衝撃を粘度で分散させる役目をしていますから、20W-50などの高粘度が必要になるのです。(耐熱性ではありません)粘度が上がると気密性も良くなり、低速トルクも増します。(逆に高回転では回らなくなります)

 

モータースポーツの場合、以下のような場所では高粘度が望ましい。

  • オートポリスなど高低差が大きなコース
  • 2速・3速を多用し高回転で走るコース

 

一般道でも峠などを普通の走行をするのであれば、指定粘度で十分。荷物を積んで負荷がかかる場合や、頻繁に山道を走るなどは、指定粘度より一つ上の粘度を選ぶといいでしょう。 高低差が少なく、あっても短時間な高速道路などは以外と負荷がかからず、エンジンが十分に冷却できるので、10W-40などや5W-30でも大丈夫だということです。